あなたは「お疲れ様」という表現をどのような状況で使うだろうか?
職場で、自分より先に帰宅する人に向かって「お疲れ様です」と言ったり、仕事を終わって会社を出るときに、まだ残って仕事をしている同僚などに「お疲れ様」と言ったり、「やあ、こんにちは。」くらいの気軽な挨拶として「お疲れ様」と言ったり。
いつでも誰に対してでも使える無難な表現である。
しかしなぜか、「お疲れ様」という言葉には「あなたは疲れていますねえ」という意味はない。どちらかと言えば、「ご苦労様です。」とか、「なかなかいい仕事でしたよ。」という意味合いだ。
だから、「お疲れ様」と言いたいときに、英語で「You are tired.」などと言えば、「余計なお世話だ!」と反感を買ってしまう。
では、日本語の「お疲れ様」は英語ではどう表現すればいいのか、3つの例文を通じて説明しよう。
Good job.
ねぎらいの言葉をかけるときに使う表現だ。上司から部下に向かって使ったり、または同僚同士で言ったりする。
たとえば、新商品を顧客に紹介するプレゼンテーションで、あなたが説得力のある話をしたとする。顧客は、最初は商品に興味がなかったのに、プレゼンテーションが終わるころには、新商品に興味津々だ。
そんなときに、あなたの上司があなたに向かって「Good job.(よくやった)」のように言うのだ。
『「Good job.」と「お疲れ様」では意味が少し違うだろう』と思うかもしれないが、英語には「お疲れ様」という表現は存在せず、同じような状況で「Good job.」という表現を使うわけだ。
なお、部下から上司に対しては言うと、とても無礼なのでおすすめしない。
例)
Good job in the meeting!
会議お疲れ様でした!
How’s it going?
職場で同僚にすれ違ったときなどに、ちょっとした挨拶として使える表現だ。もちろん、職場だけでなく、道路で友達に会ったときなどに使ってもいい。
「How’s it going?」の「it」は何を指しているのか?という疑問があると思うが、この「it」は現在の状況や調子などを意味している。
つまり、「状況・調子はどうですか?」という意味合いだ。
しかし、相手の状況や調子を本気で聞いているわけではなく、「やあ、どうも。」くらいの意味合いで気軽に使うことができる。
この表現は、親しい友達などに言うフレーズなので、年配の人や上司には使わない。
例)
Hi Tony, how’s it going?
トニー、お疲れ様。調子はどう?
See you tomorrow
仕事が終わり、会社を出るときに言う「お疲れ様」の表現だ。日本語では「ご苦労様です」という意味合いで「お疲れ様」と言うが、英語では「明日会いましょう」という表現を使う。
この表現は、先輩や上司にも問題なく使うことができる。
例)
Have a good evening, see you tomorrow.
お疲れ様です。また明日。
「お疲れ様」を英語で言うには、状況に合わせて工夫が必要
ここまで、「お疲れ様」は英語でどのように表現すればいいかについて、例を挙げて説明した。
「Good job.(よく頑張ったね)」だったり、「How’s it going?(調子はどう)」だったり、「See you tomorrow.(明日会いましょう)」だったりと、日本語の「疲れる」という意味は一切含まれていない。
英語で「お疲れ様」を言うには、「疲れる」という意味にとらわれずに、状況に合わせて柔軟に工夫することが必要なのだ。
他にも「お疲れ様」という状況はいろいろあるので、英語ではどのように言うのか、いろいろ考えてみてほしい。