英語を話せるようになるには、文法を勉強したり単語を覚えたりして知識をインプットするだけでなく、自分で英語の文章を作るというアウトプットの練習が絶対に必要だ。
アウトプットの方法としては、英会話スクールで外国人と会話をしたり、留学したりということが考えられるが、お金と時間がたくさんかかるのでなかなか難しい。
しかし、英語で日記を書くということは、お金をかけずに、いつでもできるので特にお勧めの勉強方法だ。
直接外国人と会話をしなくても、英語で日記を書くことで、英語の知識を頭の中で整理することができる。
分かったつもりになっている部分を発見できるし、簡単に言えると思っていたけれど、実はどう英語で言えばいいか分からない表現を発見したりもできる。
英語で日記を書くということは、一人で英語を勉強する方法としては、ものすごく効果の高い方法なのだ。
しかし、「英語で日記を書こうとしても1文も書けない」という人から相談のメールをいただくことが多い。
そこで、英語で日記を書くときのコツを公開することにした。
この方法なら、中学1年くらいの文法知識でも日記を書くことができる。
そして、書けば書くほど英語の表現力が伸びるので英会話も上達する。
もちろん、簡単な文章で書くことに慣れてきたら、さらに高度な文法を使って作文する練習してほしい。
■はじめに:英語が一文も思い浮かばないなら
あなたは今まで日本語にどっぷり使って生活をしてきたのだから、いきなり英語でスラスラと作文ができるわけがない。
日本人の頭は、長い年月を経て日本語で考えるように思考回路が作られている。
当然、英語の思考回路を持っていないのだから、英語で考えようとしても無理な話だ。
ノートを開いて「さあ、書くぞ!」といくら意気込んでも、何も出てくるわけがない。
そこで最初は、日記の内容を日本語で考えることだ。
つまり、日本語で考えて日本語で作文し、それを英語に訳す練習から始めるわけだ。
もちろん、永久に日本語から英語への翻訳を続けるのではなく、最初に日本語を書くことに慣れてきたら、日本語文を書くのを止めて、最初から英語で日記を書くようにする。
つまり、
- 日本語でノートに作文してから英語に訳す。
- 日本語で頭の中で作文してから英語に訳す。
- 最初から英語で作文する。
というようにレベルアップするわけだ。
ほとんどの人は、いきなり3から始めようとするから挫折する。
このレポートでは、最初の難関である(1)をスムーズに突破して 次の段階にスイスイと進むための3ステップ学習法について説明する。
■ステップ1:日本語で作文する。
最初に日本語でノートに日記を書く。
できるだけ簡単な題材を選ぶことが大切だ。
「ルネサンスがヨーロッパ文明にどういう影響を与えたのか」のような難しい内容は上級者になってからのために取っておこう。
英語で作文することに慣れるまでは、難しい題材はお預けにして、勉強のためと割り切って簡単な題材を選ぼう。
最初に書く題材は、その日の出来事など簡単な内容がいい。
たとえば、
今日は、朝6時に起きてカーテンを開けた。8時半までに会社に行くには、 7時には家を出なければいけないので、急いでシャワーを浴びて朝食をとった。
などだ。
もちろん、その日の出来事以外でも問題ない。
たとえば、外国人と出会ったときは必ず最初に自己紹介をするので 自己紹介を書いてみるのもいい。
とにかく、難しくない題材について日本語で作文することだ。
■ステップ2:英語っぽい日本語に書き換える
ステップ1で書いた日本語の文章をいきなり英語に書き換えようと思っても ほとんどの人は挫折してしまう。
英語でどう表現したらいいのか、さっぱり分からないからだ。
そこで、日本語から英語に書き換える前に、 日本語文を「英語っぽい日本語」に書き換えることがポイントだ。
先ほどの例文を使って説明しよう。
今日は、朝6時に起きてカーテンを開けた。8時半までに会社に行くには、 7時には家を出なければいけないので、急いでシャワーを浴びて朝食をとった。
この文は、以下のように書き換える。
今日は、私は朝6時に起きた。そして、私はカーテンを開けた。 私は、8時半までに会社に行きたい。 だから、私は7時に家を出なければいけない。 だから、私は、急いでシャワーを浴びて、そして朝食をとった。
書き換えるときのポイントは、以下のとおりだ。
- 「主語」と「動詞(述語)」を書くこと。
- 長い文は2文に分けること。
- 知らない表現は、知っている表現に置き換えること。
英語と日本語の一番大きな違いは、「主語があるかどうか」だ。 そして、英語で文章を書けない一番の理由は、「主語を思いつかないから」だ。
だから、英語で文章を書く前の日本語の段階で 主語を付けておくと英文日記を書くのがずいぶんと簡単になる。
■ステップ3:英語で作文する
ステップ2で「英語っぽい日本語」を書いたら、次は英語で作文する。
今日は、私は朝6時に起きた。
Today, I woke up at six in the morning.
そして、私はカーテンを開けた。
And, I opened the curtains.
私は、8時半までに会社に行きたい。
I want to go to the company before eight thirty.
だから、私は7時に家を出なければいけない。
So, I must leave home at seven.
だから、私は、急いでシャワーを浴びて、そして朝食をとった。
So, I took a shower quickly and had breakfast.
いかがだろうか。これなら、中学1年か2年の英語力で作文することができるはずだ。
もちろん、分からない単語は和英辞典で調べよう。
たとえば、「シャワーを浴びる」が分からなければ、 英辞郎の検索窓に「シャワーを浴びる」と入力すれば 例文がたくさん表示される。
このように、主語と動詞がある簡単な日本語に書き換えると 英作文はぐんと簡単になる。
最初は簡単な題材についてしか書けないかもしれないが、 毎日続けていると、少しずつ難しいことも書けるようになってくる。
■ステップ4:最初から英語で書く
「3ステップ」と言っておきながらステップ4があるのは、ステップ4は、特別何もしなくてもできるようになるからだ。
ステップ3までを続けていると、だんだん英作文になれてくるので 「英語っぽい日本語」を書かかずに、最初から英語で書けるようになる。
最初は、頭の中で「英語っぽい日本語」を作文してから 英語に訳すという作業をしなければならないだろう。
しかし、慣れてくると、最初から英語が出てくるようになる。
英語初心者がいきなり英文日記を書こうと思っても何も書けずに挫折してしまうが、 このような手順を踏んで練習すると、必ず英語で日記書けるようになる。
そして、英文日記をスラスラ書けるようになってくると、英会話のときにも驚くほどスムーズに言葉が出てくるようになる。
■さらに上を目指すには
英文日記の弱点は、
- 変な英語を使っていても自分では分からないこと
- すでに知っている表現ばかり使ってしまうこと
だ。
これを克服するには、英作文の添削サービスや、英会話の個別レッスンを受けて添削してもらうことだ。
つまり、あなたが書いた英文を添削してもらうことで、正しい表現方法を学ぶ ことができる。
添削してもらった英文は、何度も声に出して覚えるまで練習することで確実に自分のものにすることができる。そうして、次回、同じようなことを話したり日記に書いたりするときには、すいすいと英作文できるようになる。
■おわりに
この記事では、中学1年レベルの文法知識で英文日記をスイスイ書く 3ステップ学習法について説明した。
英作文がスラスラできるようにアウトプットの練習をたっぷりすると、英会話のときに英語が口から出てきやすくなる。
だから、慣れるまではけっこうしんどいこともあると思うががんばってほしい。