英会話は人間を相手にするものなので、最終的には人間と話すことになる。しかし、人間を相手に英語で話す前に、一人練習をしっかりしておかなければ、外国人と向かい合ったはいいけれど、言葉が一言も出てこなくて気まずい沈黙の時間が過ぎたり、デタラメに単語を言うだけになったりする。
そこで、英語で会話をするときに、正しい文法・表現でパッと英語が口から出てくるようになるために、英会話の一人練習をするときに、必ずやっておきたい3つの上達法について説明する。
■あなたはダメな方法で英語を勉強していないか?
正しい勉強法について説明する前に、いくら時間と労力を費やしても英会話が上達しない、ダメな勉強法について説明する。
ダメな勉強法は以下のとおりである。
- 聞き流すだけ
- 教材を眺めているだけ
- 単語や熟語をひたすらノートに書いて覚える
- 問題集を解きまくる
見たら分かるように、受験勉強のときなど、誰もが経験した方法ばかりである。これらの勉強法では、ペーパーテストの点数は上がるが、自分で話せるようにはならない。
ノートに書いて覚えたり、問題集を解いたりすることは、中学レベルの英語もよく分からないくらいの英語力のときには効果は、基礎を覚えるという意味で効果はある。
しかし、英語を話すスキルを伸ばすという目的を達成するためには、何の役にも立たない。
■英会話の一人練習をするときに、必ずやっておきたい3つの練習法
英会話の練習は、ガムシャラにやってもほとんど上達しない。練習しただけの効果を出すためには、正しい方法で練習することが必須条件だ。
そこで、英会話の一人練習で効果を出すための正しい方法を3つ以下に紹介する。
1.英作文をたくさんんする
2.身の回りのことを英語で言う
3.英会話を練習するときの必須ポイント
以下の記事では、1~3について詳しく説明する。
▼英作文をたくさんんする
英会話というのは、頭の中で英作文して、それを声に出して言うことだ。
だから、普段の練習でも、聞き流すだけとか、英語教材に書かれている英文を覚えるだけではなく、英作文をすることが重要である。
繰り返すが、自分の頭を使って英作文することが重要だ。
そのための基本的な練習として、日本語文と英文が書かれている教材を使って、日本語文を見て英語で言う練習を繰り返す。
最初は、文法単元ごとにまとめられている教材を使って、日本語から英語への英作文を繰り返し練習する。
このとき、頭の中の黒板に文字を思い浮かべて英作文するというような方法は避けなければいけない。
頭の中に文字を思い浮かべて英作文していると、会話のときにスムーズに話すことができない。
だから、日本語文を見て、文字を想像してしまう前に、できるだけ速く英語で言うように心がけること。もし、数秒以内に英語が出てこなければ、すぐに英文を見て確認すればいい。
この練習法を瞬間英作文といい、英会話の一人練習としてはとても効果が高いことが知られている。
この練習をするときは、オーディオ付きの教材を使って、日本語音声を聞いて英語で言うという練習もしたほうが効果が高い。
瞬間英作文の練習を十分にしておくと、外国人と話をするときに、正しい文法でパッと言葉が出てくるようになる。
▼2.身の回りのことを英語で言う
教材を使って英作文をする練習、つまり瞬間英作文の弱点は、どの英語教材にも当てはまることだが、あなたが言いたいこととピッタリ当てはまる英文が紹介されていないということだ。
英会話教材は、あなただけのために作られたものではなく、大勢の人を対象に作られているので当然だが、これが英会話教材の弱点となる。
そこで、自分の言いたいことを英語で言えるようになるために、身の回りのことを英語で言う練習が必要になる。
たとえば、
- 朝起きてから何をしたか
- 職場での出来事
- 家族のこと
- 実家はどんな場所か
- 将来の夢
など、すべて英語で言ってみるのだ。
最初は、朝起きてからしたことを英語で言うことから始めるのがやりやすいだろう。たとえば、私が今朝したことを話すと
今朝6時に起きて、10分ほど少しストレッチをしてから、服を着替えてジョギングに出かけた。いつものコースを走って折り返し地点の神社に到着したら、神社のおじさんとおばさんが境内を掃除しているところだった。
掃除している二人を通り過ぎて、神社の鐘をならし手を合わせてから、折り返して家に帰った。
家に到着してストレッチをしていると、妻がベッドから置きだしてきて、私にコーヒーを入れるように言った。コーヒーを入れるのは私の仕事なのだ。
とまあ、こんな感じになる。これを簡単な英語で表現するのだ。
このときのポイントは、難しい表現を使おうとしないことだ。できるだけシンプルで短い英文をつなぎあわせて表現するのがいい。
また、どうしても英語で言えない部分は放って置いて、気にせずに次の進むといいだろう。分からないところは後で調べてもいいし、特に調べなくても、勉強を続けているとそのうち言えるようになってくる。
▼3.英会話を練習するときの必須ポイント
ここまで、「1.英作文をたくさんんする」と「2.身の回りのことを英語で言う」という英会話の練習方法を紹介した。
3つ目のポイントとして、これらの練習をするときに、絶対に外してはいけない重要ポイントをお話しする。
それは以下の3点だ。
- 間違いを恐れない(細かいことにこだわらない)
- 現時点の自分の英語力で最高の発音をする
- 英語ペラペラの自分を演じる
1.間違いを恐れない(細かいことにこだわらない)
inかなatかな、aかなtheかな、みたいな細かい文法にこだわらない。
受験やtoeicでは、in/at や a/theを間違えるとペケになるが会話では意味が通じればマルだ。だから、細かいことを考えるより、できるだけ速く声に出して英語で言うようにする。
というのは、実際に外国人と話をするときには、細かいことを考えて沈黙の時間を作るより、少しくらい間違っていても何か言った方が会話がはずむ。
それに、細かいことを気にしすぎると、間違えるのが怖くて何も話せなくなる。
だから、ある程度、英語で話せるようになるまでは、間違えることを恐れずにどんどん話して、ある程度、話せるようになってから、細かい部分を修正していくほうがいい。
練習のときも、細かいことにこだわらずに英語で言って、後で正解を見てチェックすればいい。
また、書店に行くと「ネイティブはそんな言い方はしない」とか「その言い方はネイティブはカチっときます」みたいな本がたくさん出てるけど、そんなものは気にしなくてもいい。
英語の表現は国によって違うし、同じ国の中でも土地によって違うし、さらに年齢によっても違う。だから、「ネイティブはそんな言い方はしない」なんていうのはナンセンスだ。
また、英語の初心者が一生懸命話しているのを聞いてカチっと来て怒るような人はまずいないし、もし怒ったならそんな人と付き合う必要はない。
だから、そんなことは気にせずに、どんどん話すほうがいい。
2.現時点の自分の英語力で最高の発音をする
片仮名発音ではなく、必ずオーディオを聴いて、聞こえたままの発音を真似る。
たとえば、「アナと雪の女王」の歌を聞いて、「Let it go」がレリゴーに聞こえたら、レリゴーと言えばいい。
先日、妻が英語の勉強していたときに、プロポーザルという単語をオーディオで聴いて、「この単語、『プロポーゾー』としか聞こえへんけど、どう発音したらええかな」と聴いてきた。
私の答えは、「聞こえたとおりに言えばいい」だ。
なぜなら、オーディオで聞こえたとおりに発音するということは、現時点の自分の英語力で最高の発音をしているということだからだ。
「プロポーゾー」って聞こえているのに、「プロポーザル」と発音するのは明らかに間違い。
もっとリスニングや発音の練習をして上達したら、別の聞こえ方がしてくるので、そのときは、また聞こえたとおりに発音すればいい。
3.英語ペラペラの自分を演じる
ここまで説明してきた英会話の一人練習をするときには、誰かに話しかけているつもりで練習することが重要だ。
役者が台詞の練習するように、目の前に誰かがいることを想像して、役になりきって練習する。
受験生がするみたいに、テキストを見ながら棒読みで練習すると、ペーパーテストの点数は上がるが、英会話スキルは上達しない。
だから、必ずテキストから目を離して、人間に話しかけているつもりで練習する。
できれば、身振り手振りを使って練習すると、さらによい。
■今すぐ実践しよう。
ここまで、英会話の一人練習をするときの重要ポイントについて話してきた。
以下のとおりだ。
英会話の一人練習をするときに、必ずやっておきたい3つの練習法
- 英作文をたくさんんする
- 身の回りのことを英語で言う
- 英会話を練習するときの必須ポイント
英会話を練習するときの必須ポイント
- 間違いを恐れない(細かいことにこだわらない)
- 現時点の自分の英語力で最高の発音をする
- 英語ペラペラの自分を演じる
英会話の練習は、ガムシャラにやっても上達するものではない。正しい方法で勉強することが必須だ。
これまでいくら勉強しても英語を話せるようにならないなら、これらの勉強法を今日から実践してほしい。
1か月、2か月と続けていると、必ず結果が出てくるはずだ。