最近、なぜか昔の記憶がよみがえることがあります。
学生時代の友達や部活の仲間のことが、ふと思い出されるんです。
顔や声、当時の雰囲気まで、まるで昨日のことのようにリアルに浮かびます。
そんな記憶の中に、M君というクラスメートがいます。
中学生のとき、試験の日になると、彼はいつもこう言っていました。
「もうムリかも。全然勉強してない…」
その姿は本当に追い詰められたように見えて、私は「なんだ、自分だけじゃないんだ」と、つい安心してしまっていたんです。
おかげで、私自身も特に焦ることなく、試験勉強を軽く済ませる程度で済ませていました。
ところが、M君の成績は毎回上位。学年でも3本の指に入るくらいでした。
一方の私はというと、平均点をちょっと下回るくらい。
その事実を知ったときには、「彼は地頭がいいんだろうな」と、自分とは別のタイプだと納得しようとしていました。
勉強しなくても良い結果が出る、そんな特別な才能があるんだろうと。
でも後で知ったのは、M君の家庭では勉強に対してとても熱心で、彼は毎日、何時間もきっちり学習していたということ。
私はというと、試験前に少しだけ参考書を開くだけ。そりゃ差がつくはずです。
この話を思い出したのは、「努力の基準」は人によって大きく違うということを伝えたかったからです。
おそらくM君は、1日5時間勉強しても「全然足りない」と感じていたのでしょう。
一方で私は、たった1時間勉強しただけで「今日はよく頑張った」と満足していた。
その違いが、努力に対する感覚のギャップを生んでいたわけです。
よくある話ですが、
「毎日ちゃんと英語を勉強しているのに、全然上達しないんです」
と相談をもらうことがあります。
詳しく聞いてみると、1日30分、まだ勉強を始めて1か月くらいだったりします。
これでは、なかなか成果が出ないのも無理はありませんが、本人としては「かなり頑張っている」という感覚なのかもしれません。
もしあなたが、
「頑張ってるのに成果が出ない」
「他の人は、もっと楽に上手くなっているように感じる」
と思ったとしたら、もしかすると、努力に対する基準が自分と周りで違っているだけかもしれません。
昔の私のように、自分を過小評価したり、他人と比べて落ち込んだりしないよう、気をつけてくださいね。