毎日英語の教材を聞いているのに、思ったようにリスニングが上達しない。
そんな悩みを抱えている方は少なくありません。
YouTubeなどで英語の動画を日々見ていても、なかなか聞き取れるようにならないという声もよく聞かれます。
実を言うと、私自身もその壁にぶつかったひとりです。
アメリカ留学中は、毎日授業で英語を何時間も聞いていましたが、それでもすぐには聞き取れるようになりませんでした。
「自分には英語が向いていないのかも」と、自信をなくしかけたこともあります。
あとになってわかったのは、リスニングはただ聞き流しているだけでは伸びないという事実。
よくありがちな間違いが、「聞いてさえいれば自然に耳が慣れてくる」という考え方なんです。
テレビやネットの広告で、「聞いているうちに急に理解できるようになった」といった表現を見ることがありますが、それは現実的ではありません。
仮にそう感じたとしても、もともと英語の基礎力があった人か、実際には理解できていないのに「わかったつもり」になっているケースが大半です。
「聞き取れた」と言いながらも、いざ内容を説明してもらうと、言葉にできない。
そうした状況は案外よくあるものです。
では、確実にリスニング力をつけるにはどうすればいいのでしょう?
ポイントは、聞き取れない部分をはっきりさせて、一つひとつクリアしていくことなんです。
その具体的な手法が、「ディクテーション」です。
これは、英語の音声を聞いて、それを文字に書き起こす練習方法です。
以下の手順で行うと、より効果を感じやすくなります。
ディクテーションの進め方
- 英語の音声をまず通して数回聞く
- 音声を止めながら、聞こえた単語やフレーズを書き出す
- 書けなかった箇所を意識しつつ、再度音声を聞く
- スクリプトと照らし合わせて、間違いや抜けていた部分を確認
- なぜ聞き取れなかったのかを分析
・知らない単語だったのか?
・発音の認識がずれていたのか? など - その部分を声に出して練習する
- 最後にもう一度、全体を通して聞き直す
このようにして取り組んだ音声は、繰り返し耳に入れたり、自分の口で発音してみたりすることで、確かな力に変わっていきます。
ただ聞き流しているだけで、ある日突然すべてが理解できるようになる、ということはまずありません。
リスニング力を本当に伸ばすには、
「わからない部分をなくす」積み重ね
が必要です。
最初のうちは、短めの音声素材から始めると、無理なく取り組めます。
続けていくうちに、しっかりとした変化を感じられるはずです。