あなたは子どもの頃、塾に通った経験がありますか?
私は小学6年生のとき、友達に誘われて近所の塾に通い始めました。
その友達は「Aクラス」(成績優秀なグループ)に所属していて、私は「Bクラス」(それ以外)でした……少し悔しかったのを覚えています。
塾では算数と英語を学びました。
今思えば、私が初めて英語というものに触れたのは、この塾がきっかけだったんです。
でも、「え、じゃあ子どもの頃から英語をやってたの?」と勘違いしないでくださいね。
実は、その塾の授業内容はとても雑でした。
1.授業中は中1レベルの英単語を、ひたすらノートに書いて覚える
2.10語覚えたら先生からプリントをもらい、ミニテストを受ける
3.満点を取れたら次の単語へ
ただし、1問でも間違えると、先生のゲンコツが待っていて、やり直し。
これが延々と続くわけです。
先生の仕事といえば、テスト用紙を渡すこととゲンコツくらい。
そんな環境だったので、「英語ってなんか怖いなあ」という印象を持ったままでした。
とはいえ、この厳しいやり方にもわずかに良い面があって、中学に上がったとき、基本的な単語をすでに覚えていたおかげで、最初の段階でつまずかずに済んだのです。
この話をした理由ですが――
日本とアメリカの大学で行われた研究によると、
「授業の最初に毎回ミニテストを受けていた学生は、そうでない学生よりも成績が良かった」
という結果が出たんです。
これは、前回の授業内容を思い出そうとする行動そのものが、記憶の定着を助けたからだと考えられています。
つまり、「覚えたことを引き出す努力」がとても重要なんですね。
特に効果的なタイミングは、
「うーん、なんだったっけ……確か覚えたはずなのに出てこないなあ」
という瞬間。
このときにすぐ答えを見るのではなく、自力で思い出そうとすることが、記憶の強化につながります。
人によって最適なタイミングは違いますが、たとえば1日後、3日後、1週間後など、何度か繰り返すとしっかり定着します。
「単語が覚えられない」
「文法がなかなか身につかない」
という方は、この“思い出すトレーニング”を取り入れてみてください。