少しだけ想像してみてください。
あなた自身について、次のどれが一番近いと感じますか?
- 自分が好き
- 自分が嫌い
- 特にどちらでもない
このような問いかけをしたのには理由があります。
最近、自分に対して厳しい評価をしている人が意外と多いことに気づいたからです。
もちろん、直接「私は自分が嫌いなんです」とは言わなくても、会話の端々に自信のなさが表れることがあります。
「どうせ自分なんて…」という気持ちが根底にある人は、少なからず自分を受け入れきれていないのかもしれません。
とはいえ、「自分を好きでいること」が悪いことだと感じてしまう人も多いもの。
「自分を好きって、なんだか自己中心的に聞こえる」
そんな声もあるかもしれません。
けれど、本来は自分を大切に思える状態が、健やかな心のあり方です。
自分とだけは、これからの人生、ずっと一緒に過ごしていくのですから。
もちろん、度を超えた自己愛はバランスを欠くかもしれません。
ですが、自分自身を認めてあげることができなければ、心からの充実感や前向きな気持ちは育ちにくくなります。
自己評価が低くなると、次のような思考に陥りやすくなります。
「きっと私には向いていない」
「どうせ頑張ってもムダ」
あるいは、別の形で
「今の方法じゃダメだ。もっと効率の良い方法があるはず」
といった言い訳のような考え方が出てくることもあります。
こうした思考が続くと、持っている力を発揮できなかったり、始めたことを途中でやめてしまったりする原因になってしまいます。
つまり、能力が足りないからうまくいかないのではなく、「無理に違いない」と思い込んでしまうことで、自ら結果を遠ざけてしまっているのです。
このような自己評価の低さには、過去の体験が影響している場合もあります。
たとえば、幼少期に親や身近な人からかけられた、
「お前には無理だよ」
「なんでそんなこともわからないの」
といった何気ない一言が、心に残ってしまうことがあるのです。
ですが、一度低くなってしまった自己評価でも、ちょっとした取り組みで見直していくことが可能です。
それが「1日3分の日誌を書く」という方法。
毎日ほんの数分、自分と向き合う時間をつくることで、徐々に自己肯定感を育てていけます。
具体的には、次の2つをノートなどに書き出してみてください。
- その日にできたこと・うまくいったこと
- 嬉しかった出来事や心が満たされた瞬間
1つ目は、どんな小さなことでも構わないので、自分なりに「やれた」と思えることを見つけましょう。
「苦手だったプレゼンが今日はスムーズだった」
「前よりも丁寧に掃除ができた」
「初めて作った料理が家族に好評だった」
のような感じです。
そのうえで、どんな工夫や行動がよかったのかまで掘り下げて書くのがポイントです。
そうすることで、自分の中にある前向きなパターンが見えてきます。
2つ目は、心が温かくなった出来事を記録します。
たとえば、
「予算より安いけど、本当にお客様に合った商品を提案できて、感謝の言葉をもらえた」
「散歩中に落ちていたゴミを拾って、ほんの少しだけど地域に貢献できた気がした」
このように、自分の行動を通じて得た気持ちや体験を丁寧に書いてみてください。
どちらも大切なのは、「そのとき自分がどう感じたか」を言葉にすることです。
この習慣を毎日続けていくうちに、少しずつ自分に対する見方が変わっていきます。
「どうせ私には無理」という思い込みから離れられるようになり、物事をやり抜く力も育っていくでしょう。
最初のうちは、何を書けばいいかわからず手が止まるかもしれません。
でも、少しずつ慣れてくれば、ほんの数分で書けるようになります。
まずは試しに、今日から始めてみてください。
半年後、自分自身に対する印象が、きっと変わっているはずです。